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大人だって読みたい!少女小説ガイド

出版されると聞き、即Amazonに予約した本です。中学の頃から少女小説愛読者としては、絶対に欲しい一冊…。そして、本棚を漁って読みたくなりました。…ガイドにある本、結構読んでいるぞ(笑)、みたいな。

本格的な少女小説のガイドブック

かなり昔のものから最近のものまで、恋愛や仕事、宮廷や歴史といったカテゴリで分類し、編者がチョイスした代表的な作品を紹介しているものです。
あまり偏重していないし、本当に昔から今までの、名作!と言えるものがたくさん紹介されています。
ジャンルも様々ですが、レーベルもたくさん…。すでになくなってしまっているレーベルもあるとみると、この世界の移ろいやすさも感じられますが…。
先日読んだ氷室冴子先生の本にもそんなことが書かれていましたが…、あのコバルト文庫でさえ、今は電子版しかないご時世…。

ライトノベル…というジャンルじゃないのか?とも思われますが、確かに異世界だの、SFだのもありますが…、少女小説は視線が女性に向けられたような感じではありますので、ちょっと違うような…。もちろん男性が読んでも全然問題ないんですけれどね。
少女と呼ばれる世代の女の子が、本格的な”小説”への入り口になるい、そんな本が少女小説なのかなあと思います。
でも、だからこそ、内容がしっかりとして、心に響くものしか売れない、そんなシビアなジャンルでもありますが。
その中でも、この本で紹介されている作品はいずれも名作と呼ばれてふさわしいものばかりです。
そして、そんな少女小説を描いてきた作者に焦点を当てたようなコラムと、若木未生さんなど、作家へのいたビューもあったり、読み応えたっぷりの1冊となっています。

こんな本が紹介されています

少年陰陽師

結城光流・著・角川ビーンズ文庫

現在も続いている人気シリーズ。安倍晴明の孫と式神達が、あやかしの事件に巻き込まれ、解決しているお話です。安倍晴明は著作によっては若かりし頃のキリっとした作品も多く、結城さんも、そんな本も書かれていますが、このシリーズでは、孫をいじり倒すおちゃめなおじいちゃんといった感じです。
シリーズも長くなり、最近はシリアス展開なので、そろそろ色々解決していってほしいきがします。

夢の宮

今野緒雪・著 集英社コバルト文庫

ロアンと呼ばれる架空の帝国の後宮のある宮の名前がタイトルで、その後宮で起きた話を描いた作品です。恋愛ものといえば恋愛ものですが、中華風の設定、大国同士のやり取り、身分など、政治的な要素も入っていて、大河ロマンのような感じです。オムニバスのような感じなので、シリーズのどこから読んでも大丈夫です。表紙や挿絵の作家さんが何代か変わっていますが、いずれの方もこの作品の世界を美しく彩っています。

愛から始まるサスペンス

藤本ひとみ・著 集英社コバルト文庫

三流漫画・マリナがアンケート1位となるような漫画のネタを探して、昔の友人に連絡を取り、取材をすることに。そしてそこから殺人事件に巻き込まれていくという話なのですが。
友人がタカラヅカの男役張りのイケメン(笑)だったり、ヴァイオリニストで、しかも持病で心臓病を持っているという、とにかく専門的知識が豊富でないと作れないような設定だったり…。これもシリーズとなっていますが、作品が出る度に出るイケメン、そしてなぜかみんなマリナに惚れる…うらやましい話です。
いや、本人の強いバイタリティと精神力がなきゃ、あんなに色々な事件にまきこまれても大丈夫なわけではないので、簡単になりたいとは言いたくないような…。
文章は明快でテンポがいいのに、とにかく知識量が半端なく、男性でも読み応えたっぷりです。私はこのシリーズでアナフィラキシー・ショックというものを知りました。

風を道しるべに…

倉橋曜子・著 講談社X文庫

白金台に住むようなお嬢様の麻央が、両親の突然の死により、北海道に住む母方の叔母の家に厄介になるように。いきなりのカントリー生活に反発しながらも、乗馬や叔母の家族や友人と交流し、生活していくような、朝ドラのような話です。ええ、全10巻にホワイトハートというレーベルから続編5冊&完結編3冊からなる、一人の少女の物語…。
波乱万丈な展開と、やきもきする恋愛模様…本当に朝ドラのような話です(力説)。

実はこれも入れてほしかった作品もあり…

多分編者の方も、断腸の思いでチョイスされた作品ばかりです。が。それでもやっぱり、どっぷりコバルト文庫やX文庫につかっていた世代としては、まだまだ足りないと思ってしまっていたり。
そういう本もこれから紹介していけたらなあと思ったりします。
が。昔の本すぎて、古書店で入手…のような作品の羅列になりそうですが。
いやでも、あの頃読んだ本は、いま読んでも面白い作品ばかりなんで…。
こちらの本で紹介されている作品にも、まだまだオススメしたい本もたくさんあるので、今後も引き続きそういった作品を紹介できればな、と思います、はい。

…長く熱くなりそうなので、徐々にですが(笑)。