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我が家の本棚から選ぶミステリー3選

最新、諸般の事情で読破しきれていないのですが、我が家の本棚には既読の本がたくさん。。。
ということで、その中からおすすめのミステリーを三作品を紹介したいと思います。
まあ…有名な著作ばかりなので、ご存知の方が多いかと思いますが。

黒蜥蜴

まずは江戸川乱歩の名作の一つから。

あらすじ

暗黒街で、その腕にある蜥蜴の入れ墨から「黒蜥蜴」と呼ばれる美貌の女盗賊。彼女はとある財閥が所有するダイヤを狙い大胆不敵な行動をとる。そして、それを阻止すべく、明智小五郎がその前に立ちはだかるが…。

ここがオススメ

江戸川乱歩とえいば、明智小五郎と少年探偵団。その明智小五郎が活躍する作品はたくさんありますが、この本はちょっと異色というのが特徴です。
基本、江戸川乱歩の作品というのは、少々。。。どころではなく、グロテスクなイメージがあります。
D坂の殺人事件とか、人間椅子とか…。屋根裏の散歩者とか、少々へんた…もとい、君の悪さが目立つ作品が多いのですが、この作品は、その色味が少々薄くなっています。
その分、ほんのり色気があったりしたり…。
明智小五郎の唯一と言っていいくらい、色恋…らしい部分があったりします。
その相手が、女賊「黒蜥蜴」こと緑川夫人…。
敵のはずが、お互いを意識するあまり…的な感じでしょうかね…。
それから、ダイヤを狙った財閥には娘がいて、その可憐さに攫われるという…ちょっと百合の香りもしたり…。
そういった意味では、ちょっと耽美に走った珍しい作品です。
ミステリとしても良作ですので、おすすめです。
舞台化されていますので、いつか観に行きたいです…。

オリエント急行の殺人

お次は海外ミステリから。ミステリの女王、アガサ・クリスティの名著です。

あらすじ

真冬のヨーロッパを縦断する「オリエント急行」。そこで、一人の紳士が12か所も刺され殺されてしまうという事件が発生する。吹雪の中で駅に到着する前に停まる列車。つまり、この列車にまだ犯人はいることになる。乗員も含めてすべての人物が容疑者となる中、たまたま居合わせた名探偵ポアロが謎を解き明かす。

ここがオススメ

アガサ・クリスティーの作品の中でも代表作的な作品です。クリスティーはたくさんの名探偵を生み出していますが、そのなかでもポアロは有名ですね。灰色の脳細胞。
いわゆる密室殺人なのですが、読んでいくごとに深まる謎。犯人は一体だれなのか…。
その結末については…読んで確認してみてください。
まあ…クリスティーらしい結末かなあとは思いました。
クリスティーは、この作品以外にも「そして誰もいなくなった」や「ABC殺人事件」など、ミステリの傑作がたくさんありますので、気になる方は是非読んでみてください。

絃の聖域

最後は栗本薫の作品から。

あらすじ

長唄の家元の邸宅で、女弟子が殺害された。犯人は内部のものとみられた。ただ、あまりにも人間関係が複雑で、誰しもが犯人となる状況で、事件解決には至らないまま、第2の事件が起きる…。この難解な事件を、名探偵・伊集院大介が挑む。

ここがオススメ

栗本薫といえば、どちらかというと、グインサーガシリーズや、魔界水滸伝といったファンタジーもののほうが有名かもしれませんが、伊集院大介シリーズも沢山の作品がある、人気のミステリーです。
その伊集院大介シリーズの第一作がこの作品です。
名門一家で起きる殺人事件。その特殊な職種と伝統で、複雑な人間関係がさらに謎を呼ぶ展開。
そして、耽美作家…いわゆる、今のBL作家の先駆けらしい、ほのかに薫る耽美なかほり…。
丁寧に描かれる物語は、美しくも残酷な展開となり…。
この伊集院大介シリーズでも、ほどほどに美しい作品です。ええ。
いや、このあと数作は普通に面白い作品なのですが、大介の宿命の敵が現われたあたりから、話がとても…残酷になっていきます。
まあ、この敵という人物の特性から致し方ないのですが、ライトなミステリーが好みの方にはちょっと大変かもしれないので、お気をつけください。
この伊集院大介シリーズも、グインサーガシリーズも、栗本薫さんの逝去に伴い、その結末は結局どうなるのかが…氏の生き生きした文体で読めないのが残念です…。漫画家もですが、未完になるのはつらいものです。。。

今後も何かのタイミングで、こういった紹介ができればいいなんと思います。
大丈夫…我が家の本棚にはコミックも含めて沢山ありますからね…。