中央システム株式会社

わたしの幸せな結婚

新年早々から世間も個人的にもせわしなく…。落ち着いた生活ができるのはいつになるやら…。
そんな新年の1本目は、昨年読んでいた本から。ライトノベルですが、個人的にお気に入りの作品です。

あらすじ

名家・齊森家の長女である美世は、父親から久堂家の当主・清霞のもとへ嫁ぐように命じられる。清霞は今までに婚約しても相手は三日ももたずに逃げ出しすくらいに冷酷無比だと噂されている人物だ。美世自身、実家にいても継母や異母妹から虐げられ、父親からは無視され、使用人から嘲笑われていたため、切り捨てられることを覚悟で、久堂家に入る。
初めて会った 清霞は、目が覚めるような美しさだった。だが、美世への態度は冷たいものだった。
だが、ともに暮らしていくうちにお互いの間にあった壁のようなものが取り払われていく。清霞は婚約者として乗り込んできた女性の傲慢さや浪費に辟易していて、美世もそんな女性と思っていたのだ。けれど、卑屈なほど自分を押し殺している美世が、かいがいしく自分に尽くす姿に興味を持ち、少しずつだが愛おしく感じていく。
そして、美世の実母が謎の力を持つ薄刃の家の出身だと知る。齊森や久堂も不思議な力を持つが、薄刃のものはけた違いのもので、その美世の血を欲するものが、彼女をかどわかし…。

和風シンデレラストーリー

”これは、不幸な少女があいされて幸せになるまでの物語―――”
というキャッチコピーがものがたってますが、究極にシンデレラストーリーです。

ネグレクトで虐待されされるヒロイン…

美世の生い立ちがとにかくひどい…。あらすじに書いたように、実の父親からは無視されてます。理由は、彼女が力を持ってないから。彼女の母親と結婚しのは、その血筋から力を得るためだったはずが、生まれてきた子供は何の力を持たない。再婚相手との間に力のある子供が生まれ、そちらのほうを大事に育てるという、ネグレクトのお手本のような…。更に継母は、美世の母と結婚するために、影のような立場となってしまった事を逆恨み。妹は甘やかして育てられたのがわかるような我儘で、周りと同じように姉を虐げて…。久々にここまで境遇がひどいヒロインを見たような気がしました。。

ツンデレな相手と不器用な恋

一方の清霞は、引退した父親の後を継ぎ、一家の長として生活していますが、派手な母親に反発し、慎ましい生活をおくり、身の回りの生活はお手伝いのおばあさん一人がするような生活をしています。軍人でもあり、名家の当主である清霞の周りには、独身の彼を狙う女性が次々と現れますが、…まあ、お嬢様にそういう慎ましい生活ができるかというと…で、我儘し放題の姿を見せ、結婚自体に嫌気がさしていたりしました。
自分の母親に似た女性に辟易していたところに、真逆の美世と出会い、女性に関する考えを改めて、美世が気になる存在に。けれど、そもそも毒舌で、人との付き合いが苦手な清霞はどう接していいのかわからない。。。ああ不器用(笑)。

和風テイストなストーリー

明確にこの時代、とは記載されていませんが、イメージとしては多分大正あたり…はいからさんが通る的な感じでしょうか。もしくはもう少し前の明治末期くらい…。オリジナル設定と、異能ファンタジーといった性質もあるため、そのあたりをはっきりと描いていませんが。
こういったお話で和風というのもまた良いものです。

お約束な終わり

ネタバレになってしまうので、詳細はいえませんが、まあ因果応報だよね、という終わり方をしています。…人を虐げる人はそれなりの終わりがまっている…、といったような。
…あ、でもあらすじで紹介したのは、あくまで1巻の途中までです。実は4巻まででています。
1巻は二人の出会いを丁寧に、異能はお飾り程度…だったのですが、2巻以降は異能ファンタジー感満載になります。美世が異能がない…というようにみせかけていた理由や、謎の多い薄刃の一族の話が展開され、より濃密になっていっています。今後どう展開されていくのか…楽しみです。

コミカライズされています

小説として読むのが…という方には、1巻がコミカライズされています。各種電子書籍やコミックサイトでも読めますし、紙媒体でも発売されています。
そんなコミックについて紹介している動画がありました。

実はコミックを読んで、続きが気になって小説を読みだしたのです、はい。
内容も絵もとても好みでした…。