中央システム株式会社 - 東新宿の方です

ルパンの娘

タイトルが気になって購入したら、直後にドラマ化が決定したので驚きました。
…怪盗好きなら、やっぱり名前にひっかかりますよね。

あらすじ

図書館司書をしている三雲華には、公務員の桜木和馬という恋人がいた。彼の祖父がたまたま華の勤めている図書館で本を借り、その返却にやってきた、という出会いだった。
年頃の女性が男性と付き合えば、もちろん結婚も視野にはいっている訳で。ご多分に漏れず、和馬は華にプロポーズした。
だが、華は一瞬迷った。彼女…いや、彼女の家族は、泥棒一家なのだ。ソフトは稀代のスリ師で、祖母は天才錠前師(鍵開けの天才)。父と母はどんなものも盗む泥棒で、兄は政府だろうが一流企業だろうが、どんなサーバにも忍びこめる、天才ハッカー。
彼女が自身は幼い頃から窃盗に関する英才教育をされている、ある意味一流の技を持っているのだが、穏やかに暮らしたくて、司書になったのだ。
こんな家族がいても、幸せになっていいのか悩むが、やはり幸せにはなりたい。和馬を愛している華は迷ったすえ、プロポーズを受ける事に。
そんな矢先、事件が起きる。荒川の河川敷で浮浪者の死体が見つかる。判別がつかない位無残に砕かれた顔。所持品もなく、身元が判明しずらかったが、指紋から判明。だが、たまたま偶然、華はその遺体が判明した人物ではなく、祖父である事を知ってしまう。
だが、スリ師だった祖父だと名乗れば、家族のあれこれまでバレてしまいそうで、それは出来ない。やきもきした華は事件の真相を知ろうと動き出す。
だが、その時、公務員である和馬が、実は警視庁捜査一課の刑事だと知ってしまう。更に、さそわれるまま彼の実家に行くと…。祖父は引退したが、警視庁でも名前のしれた鬼刑事、祖母は日本初の女性警察犬訓練士、父は警備部に勤め、母は監察課に所存。妹も警察官という警察一家だったのだ。
泥棒一族の娘と警察一家の息子の恋の行く末は…。
そして、事件の真相は…。

ロマンスかミステリーか

物語りは二つの軸が同時進行的に動きます。
和馬との結婚がどうなるの?のロマンスと、事件の真相やいかに?なミステリー部分。よく、⚫⚫を縦糸に、××を横糸に織り成す…という描写をつかいますが、この作品は両方が絶妙に絡みあう、糸…いや、縄のような話です。最初の被害者(?)が華の祖父…である、というのもありますか、事件の真相にたどり着くのも、二人の、というより、両家の関係が色々絡んでくる、ので、どちらもメインになります。だから縄。どちらかが欠けたり、いい加減な話だったら、この作品はつまらなくなる気がしました。
ロマンス部分は、華が和馬が刑事だと知ってからの話が勿論ドキドキしますが、和馬が華の家族の正体を知ってしまう展開が、ミステリー部分と交差し、うわぁとなりました。ただ…バレた後の和馬と祖父と妹以外の家族の対応がな…妹さんになって、説教してやりたかったですが。まあ、華のお兄ちゃんが頑張って、華の両親が色々やらかして…のくだりで溜飲が下がりました。
ミステリー部分は、最後まで展開が読めませんでした。本格的…とはちょっと違う感じなので、そう言った意味ではちょっと物足りないかも。話の真ん中にあった最初の殺人の動機とか…ミステリーとしたらちょっと弱い。それまでの展開とかが凄く練られていた分拍子抜けします。ただ、ロマンス部分や華と和馬の家族の話としては、その動機はアリ。
ミステリーの展開、動機は三雲家ありきで進むので、その辺は仕方ない…むしろ作品としては「快盗の娘」ありきだからこその面白さは、最後のオチまで徹底してるので、読後に納得しました。

『ルパン』だから

ルパンオタク(笑)なので、どう扱うのかドキドキしましたが、『義賊』であることは絶対条件でほっとしました。三雲家が盗む相手は『悪党』でなければならない。脱税したり反社会的勢力だったり、裏で色々やらかしているような輩からしか盗まない。
ルパンを名乗るなら、これは絶対。あと、人は殺さない。
裏で何かやってる人は目を見ればわかるとか。プロゆえの能力…ですかね(笑)。
悪人からしか盗まないのも、悪を懲らしめる…というのもあるでしょう。
でも、それ以上に、『悪い奴から盗んでも、後ろ暗いから警察を頼らない』という理由も(笑)。…デスヨネー。
怪盗がコンセプトなので、盗みのシーンも色々あり、それがまた面白い。スリから宝石盗難まで本当に多種多様。
個人的には、自分は家族に染まらないと言っている華が、色々悩みながら無意識に何人からかスリをしているシーンが面白かった。華は祖父母や両親から盗みの英才教育を受けているし、特に祖父の影響を強く受けているのを印象づけてますね。ちなみに、その財布は直ぐに交番に落し物として届けてます(笑)。
また、タイトルの『ルパンの娘』も、警察からそういう義賊がいて、それが『Lの一族』と呼ばれているから。L…つまりルパン。その一族の娘…ですからね。この名前が効果的に使われるのも痛快でさした。どのように使われたかは…読んでのお楽しみ(笑)。

怪盗と警察

…ドラマが話題に上がったとき、SNSで原作を知らない人びとの大喜利が始まりまして。
現在では着た場面はなかったのですが、ドラマ番宣で主演の深田恭子さんがレオタードになってまして。…怪盗だからレオタード…。食いつきそっち?!…とは個人的におもいました、が。
やっぱりCATSEYEを連想する人も。そのあたりは北条司先生が罪深い…いや、ドラマ担当も多分世代近いんだろうなぁ…とおもいました。
そして、やっぱり一定数いた、ルパパト民。伝説のカオス回…レオタード回で突っ込むひとが…。いや、違うから(笑)。
さらに、この二つと混乱するのが、怪盗娘と刑事の恋が入ること…。
禁断っぽくて良いんですかね(笑)。
ただ、CATSEYEやルパパトの関係性は色々重かったですが、華と和馬はそこまでの悲壮感はなかったですね。確かに色々ありました、が。おそらく三雲家が怪盗としての悲壮感が少なく、痛快感が強いからかもしれません。それから技は披露しつつも、自分自身は泥棒でない、という華の設定からも他のカップルよりもライト感を感じるのかも。

ドラマでどうなる

2019年7月からドラマが始まりますが、…イメージからは、なんかちょっとなあ…なんですよね。現在ではレオタード着ないし。
ただ、深田恭子さんと瀬戸康史さんの華と和馬は勿論、二人の家族も原作のイメージに近くて、それは楽しみではあります。特に超個性的なおじいちゃんズなどは(笑)。
設定や展開は映画よりはドラマ向けなので、余計な設定なければ、面白くなるかと思います。
ミステリー部分とか疎かにしないでください。お願いします。