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GOZEN~狂乱の宴

東映の新たな試み、ムビ×ステの第一弾のステージを観劇してきました。迫力ある殺陣がとても素敵な舞台でした。

ムビ×ステとは

東映が今年から始めた、ムビ=映画とステ=舞台のコラボレーション企画。主な出演は東映特撮…いわゆるニチアサと言われる仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズ出演者…という、マニア向けなのかメジャーなのか分からない(笑)企画です。
第一弾、映画は仮面ライダービルドで主演を務めた犬飼貴丈くんが主演。舞台は薄桜鬼ミュージカルで土方歳三など、2.5舞台で活躍する矢崎広さん。…映画見たかったけど、色々あって見損ねてしまいました。残念。

あらすじ

時は江戸幕府草創の頃。徳川家と縁のある望月家が藩主をつとめていた…が、先日藩主が急死し、弟の甲斐正に変わっていた。甲斐正は先代藩主の正妻・朝霧を正妻にして、悪政を働いていた。そして、甲斐正が幕府転覆を目論むとの噂も。幕府はその噂を確認すべく、手練の隠密を藩に送り込む。一方、前藩主の息子、八弥斗はのらりくらりと暮らしていたが、ある時、父の死去は甲斐正が暗殺したのだ、という噂を聞きつける。しかも、その恨みから父は怨霊となり漂っていると。半信半疑ながらも、八弥斗は友人の興津清順とその噂を確かめに行く。そして、噂通りに父の怨霊を目撃。しかも自ら甲斐正に殺された事を八弥斗に告げるのだった。
迷いながらも、周りに焚きつけられ、敵討ちを考え始める八弥斗。その為に大切なモノを切り捨てる…が、それが更なる悲劇を生み出す。そんなある時、甲斐正が藩内にいる腕のたつものを集め、御前試合を行うといい話が。八弥斗はこれを好機と、そこでの復讐を目論むが…。

ハムレットと魔界転生

ざっくりと話の始まりのあらすじを書いてみましたが、まあ、ぶっちゃけるとこのふたつを掛け合わせて江戸時代風にしたような話でした、はい。
特に前半はかなりハムレット。父を殺され、復讐を考え、恋人を切り捨てるけど、それがあまりにも酷すぎかつ、不幸の連鎖的事件でその恋人が発狂…とか。ハムレットを知っていると、ああ、あのシーンね、みたいなのが分かります。ただ、知らないと、八弥斗の行動のあれこれ、恋人の奈奈のシーンが、いきなりはぁ?…となるかも…。原作のハムレットも、え、なんでその展開…ですからねぇ。
確かに、命懸けの復讐に恋人への未練は不要だけど、振り方ってものがあるんじゃなかろうか…。
だって、ちょっと前までベタベタラブラブだった相手から「お前は男好き(実際のセリフはもっと過激です…文字興しにするのはちょっと…なのでお察しください)だ、そんな奴でも少しはまともと思うなら尼寺へ行け」…て言われた女性の心情…しかも、その恋人は…実際は相手を誤ってしまって…自分の父親を殺されたら…気がおかしくなるのも分からないではない、です。
ただ…ハムレットの知識がある人ばかりが見てる訳ではないので、この辺りで評価が分かれた気がします。
そして、後半は…魔界転生。まさに(笑)。
いや、ハムレットもおどろおどろしいですが、その流れからのこれ。いやいや…ハムレットの展開早いなぁ、これ2部の展開は?と思いましたが。
八弥斗に敵討ちの何故を問うてきた流狂四郎が、まさかの父親の黄泉がえり先とか。
しかも秘術で冥王になり、死者を生き返えらせるとか…まあ、そもそも御前試合が本気の死合い…。死者を黄泉がえらせ、それを兵に、幕府転覆を目論む大どんでん返し!敵だった叔父と手を結び、実の父親を倒すとか…ちょっっと待って?と思いました。
なので、まあ、ラストも推して知るべし…。

殺陣は凄い

なにせ、元戦隊ヒーローズや、舞台で刀をブンブン振り回す役をちょっと前までしてきた人ち(つまり刀剣乱舞関係)ばかりなので、アクションは安心して見ていられました。迫力半端ない…。まだ若手の部類に入る俳優さんたちだから、経験て大事だなぁと思いました。
一番楽しみにしていた、流狂四郎役の元木聖也くんも、まあ、うん…多分めっちゃ朝飯前な動きで。ただ時代劇だったからお得意のパルクールが見られなくて、ちょっと残念。
聖也くんついて。流狂四郎…はラスボスになる訳ですが、最初から色々凄みが。ルパパトのノエルや、子供向け番組の体操のお兄さん…など、今まで人がいい、彼本来の姿の役まわりばかりを見てきたので、ちょっとこういう役まわりはびっくりしました。あー、役者って凄い。そして…、ルパパト放送時に噂になった、魁利かノエルのどちらかが闇堕ちする、という展開なくて良かった…あの凄みで闇堕ちされたら、視聴対象のお子様が朝から泣きます(笑)。
あ、それから、ちょっとしたナレーションが入るのですが、それを担当していたのは、立木文彦さん。…仮面ライダーW…(笑)。
あと、冒頭かな、の障子ごしの殺陣は…ハリケンジャー(笑)。うん、あの必殺技のシーンみたいな?おかしいなぁ、マジイエローとルパンXはいたけど、ハリケンジャー関係者はいなかった、はず(笑)。

舞台役者

2.5次元でも、舞台を経験している、という役者さんばかりだったので、滑舌とか舞台ばえとか、基本がちゃんと分かってる子ばかりだったのは、安心して見ていられました。まあ、…ほら、名前は売れてるけど…な人だと、そういう不安もありますからね…。
ベテラン俳優さんとか、時代劇の所作もきちんとしてるし、そういう点はものすごく信頼してみる事ができます。
好みの分かれる話ではありますが。
そして、今年が最初となったムビ×ステ、今後どのようになっていくのか…でも、もうちょい一般向けな話でもいい気がしないでもないです(笑)。私は好きでしたけど、やっぱり感想を見ると、あの展開と、ちょっと下世話なギャグが…みたいな人もいましたから…。いやいや、迎合するのも…つまらないですけどね。

おまけ

最後のご挨拶は、梅津瑞樹くんでした。刀剣乱舞で山姥切長義をやって話題になりましたが。
今回は諸悪の根源(笑)、土御門月暗で怪しく美しい陰陽師でした。
蓮十郎くんとは同じ楽屋のようですが…。
毎回壁ドンの写真をアップしてますが、アレは役作りの一環で…と(笑)。まあ、なんかそんなシーンがあったような…いやいや、だけどね(笑)。
そして、蓮十郎くんが、ハリポタの彼に似ているという話になり…。唯一の遠距離技(陰陽師らしく気で相手を倒してます、月暗)の持ち主らしく、彼をその力で持ち上げてやろうか、とか考えていたとか…。でも、考えてみたら、ラドクリフくんは持ち上げられるのではなく、持ち上げるほうなんですよねー、と、本気か冗談なのか分からない話で、客席と舞台の面々を脱力させていました(笑)。

おまけ2

私の見ていた回、荒川静香さんと平原綾香さんも観劇してました。…と、あとでTwitterで知ったのですが(笑)。甲斐正役の浪岡さんと、氷艶で共演していたので、仲良くなったみたいで…。休憩も短かったので、周り見てなかった…ちぇっ←。
そして翌日。ノエルくんが招待したのか、朝加圭一郎さんと明神つかささんが観劇…←。
ニアミスに、ちょっとだけ残念な気持ちになりました(笑)。