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おひとり様物語

谷川史子さんは、デビューされた時から大好きな漫画家さんです。

おひとり様物語とは

講談社の女性誌で連載されているコミックです。不定期なので、コミックも不定期…。本屋に行って、あ、出てたんだ…と毎回驚きを提供してくれます。
内容は色んな理由で「おひとり様」な人々の話をオムニバスで描いてます。恋人募集中だったり、別れたばかりだったり、遠距離だったり、それぞれ。
「おひとり様」でいることを肯定も否定もしない。というか、どちらがいい、という話ではないから。だから、最後に恋人が出来たり、結局おひとり様になった、という話だったり…多分日本のどこかで、こんな事あるんじゃないかなー、みたいな、ゆるりとした話です。

8巻の内容。

オムニバスですが、幽霊の女の子がお盆にふらりと生きていた時の部屋に来て、今の住人と話をするのは…前巻にもあったので、その続編。幽霊といっても、可愛らしいです。ホラーみたいな話を…谷川史子さんの絵ではみたく…な…(強制終了)。
あとは、ちょっとドジな女性が、買い物途中で鍵を無くしてしまう話とか。同じ女の子はこの8巻には2作品あって、もう片方は、年末に衝動買いしてお金がない、と焦る話(笑)。意外な展開で、え、そうなるんだ、みたいな終わり方をするので好きです。その他にも色々素敵な話がいくつもあるので、是非読んでみては。

谷川史子さん

りぼんでデビューされた頃から大好きです。…「全国250万乙女のバイブル」と呼ばれてた時代ですよ、りぼんが(笑)。吉住渉さんの「ハンサムな彼女」とか矢沢あいさんの「天使なんかじゃない」とかが連載開始前後くらい…ですかね。友達がりぼんでわたしがなかよしを買って、毎月交換して読んでました。ちなみになかよしではセーラームーン連載前…武内直子先生の他の作品がまだ連載とかしたのでは。…ていう昔語りできる頃…。
本誌に掲載されま「きみのことすきなんだ」というお話でファンになりました。
この作品。魚が大好きな魚屋の跡取り息子が通学途中で出会う女の子を好きになり、思い切って告白すると、実は彼女も男の子を好きだった、という話。ただ、その女の子は魚が嫌いで匂いがダメという…。魚屋の息子であることを言うべきか、隠すべきか。友達の鋭いツッコミとか、コメディなのですが、ラストはなかなかほっこりとします。
そこからずっと愛読してます。あれから✕年…絵柄は少し変わりましたが、柔らかくて優しい雰囲気とか、ほっこりする話はいつまでもかわって欲しくないですね。

その他のオススメ

初期作品は文庫になってますね。

「きもち満月」

ちょっとファンタジーががった話ですが、すきな先輩に告白してうまくいかせるために、大好きな豆腐を絶っていたのに、ある朝、豆腐を買ってきた少年と衝突…し、豆腐を頭から被ってしまう。すると、白い長方形…豆腐を思わせるものを額に乗せると、怪力になってしまい…(笑)。長方形なら、書道用の和紙でもいい、とか、いざ力を使う(まあ、何かとあるようで…(笑) )時を考えて持ち歩いていた白い消しゴムを、授業中誤って使ってしまったら使えなくなってしまったり…ヒロインのアバウトな性格が出ているのが(笑)。

「くじら日和」

音楽家の父が、思い立ってアパート経営をしだすが、仕事で海外に。母親もそれについていくが、ヒロインは日本に残り、そのアパートに住むことに。そして、管理を任されたのは、ヒロインのいとこで、昔から好きだった、少女小説家。数年前、彼は最愛の奥さんを亡くしているという、片思いからどうなる?な話。触れ合うなかで、変わらない想いや変わる想い…少し切ない話です。が、谷川史子さんなので、ホンワカコメディ部分もあったり。

その他の作品

それから昔すぎてタイトル忘れてしまいましたが、老舗の料亭の跡継ぎ娘の女子高生が、学校に販売で来るパン屋さんを好きになるけれど、家の関係で諦めてしまう話、とか、ぶっきらぼうでいけ好かないと思っていた、図書館であう男性を好きになるけれど、実は彼は…という、切ない話も好きでした。
こうして考えていると、いろんな話を思い出して、ああ、読みたくなります(笑)。

おまけ

長編は意外と少なくて、短いお話が多いので、構えて読まなくてもいいのも良いです。それから、登場人物が優しい…。荒んだきもちが柔らかくなります。
そんな作品を描く谷川史子さんとは…と思いますが、コミックには「告白物語」という、数ページのコラムのような漫画がついてきます。最近あった事とか、気づいた事とか…。谷川さんの人柄が出ていて、あー、こういうお話がだから出来るんだなぁと(笑)。
そして…私もですが、この「告白物語」がすきな人が多かったのか、先年それを集めて一冊の本になりました。下手なエッセイよりも面白いので、オススメですよ(笑)。