中央システム株式会社

ミュージカル刀剣乱舞 静かの海のパライソ

昨年、コロナの影響で、上演早々中止となってしまった作品です。東京公演を無事に終えて、次の公演会場に無事に回ったのでちょっとほっとしています。
かなり重い作品で、考えさせられる事も。
※以下、できるだけ注意しますが、ネタバレ要素が入ることがあるかもしれません。ご注意ください。

あらすじ

審神者が鶴丸国永を呼び出し、新しい仕事を依頼しようとするが、躊躇っている。だが、鶴丸はそんな主の気持ちを汲み取り、行く時代を聞くと、編成は任せてくれと言い出す。鶴丸は、大倶利伽羅、日向正宗、浦島虎徹、豊前江、そして松井江を選び、彼らを連れて、指令された時代へと向かう。
そこは江戸初期の島原。重い年貢と強権に弾圧される者、時代の波に乗れずに苦汁を飲まされる者、宗教弾圧されている者など、今の時代の不満が立ち込めていた。そこに、一人の若者が現われる。
天草四郎と名乗るその青年は、そんな不満を持つものたちを集め、反乱を起こす。
その反乱は周囲に広がり、幕府も無視できず、鎮めようとするが、その勢いは止まらない。
そんなある日、新しい仲間を集めるために城の外に出ると、そこに時間遡行軍が現われ、襲われる。
鶴丸達もそこに駆けつけるが、一歩及ばず、天草四郎は時間遡行軍に殺されてしまった。
天草四郎の死は歴史を変えてしまう。
戸惑う仲間をよそに、鶴丸はある作戦を思いつき…。

歴史を護る

刀ミュの作品に「三百年の子守唄」というのがありまして。赤子だった家康を護るため、家臣たちが時間遡行軍に殺害されてしまったため、刀剣男士たちが家臣となり、家康を育てる、というあらすじなのですが。
今回は、天草四郎自身が死んでしまうという、あってはならない事態が発生してしまいます。
鶴丸が考えたのが、その家康でやったこと。そういった意味で経験のある大倶利伽羅にアドバイスをお願いしたりします。
いや、まあ、そういう事なんですが…。
実際大きな乱「島原の乱」が始まる直前で、天草四郎がいなくてはならない。
ただ、一番異なるのは、島原の乱、そして天草四郎の結末は…悲劇的なものです。
そんな結末になろうがその歴史は「正しく辿られなくてはならない」。
刀剣男士たちの使命は時として残酷です。

ダッとしてバッとやって


葵咲本紀でも言ってましたが、鶴丸のこの作戦…作戦なのか(笑)??
葵咲では「お前何言ってんだ?」ってツッコミたくなるような感じでしたが、今回はそれしか言いようもないというか。
鶴丸らしい話のそらし方というか。
そして、その作戦はアバウトに見えていて、でも、緻密に練り上げている、という、本当に鶴丸らしいというか…。徐々にわかっていくその本意に、観ていてゾクゾクしましたが、同時に胸が痛くなりました。
すべての作戦が終わるとき、仲間にも憎まれるかもという覚悟がないとできない作戦でしたからね…。
普段本気なのか冗談なのか分からない人物なので、確かにそういう役割には適しているのかもしれませんが…。
あ、でもそういった事も含め、この本丸の古参の刀剣男士たちは鶴丸を信頼してますけどね。

歴史を知るものと知らないもの

今回の出陣、選抜は鶴丸の指名だったわけですが。
島原の乱を知る松井江(幕府側の討伐隊にいた武将が佩刀していた)と、この乱以降に製作された為に、まったく知らない浦島虎徹、といった感じで、立場が様々な刀剣男士たちを選んでいたり…。
難しい立場になる松井江のフォローに、江のリーダー格である豊前江を一緒にさせたり…とか、本当に細心の配備…。
知らない故に無邪気に人を助けていたり、鶴丸の言う通りに動く浦島とか…。

パライソと言う名のインフェルノを見させられました…胸が痛い…。

戦が始ってしまったら、戦で止めるしかない

幕府側の武将として、松平信綱という人物が、この乱を終息させるために色々と動いています。
「知恵伊豆」と呼ばれた彼は、冷静に戦況を見据えていましたが、吐き捨てるようにこう言います。
本来はしなくていい戦。そして、政治の不満は政治で正さねばならない。
争いを退けるには、戦で対抗しなければならない。その覚悟がなければ、そんな事をしてはならない。
今にも通じるこの言葉は、色々感がさせられます。

かっこよくて爽やかなショータイム

観劇後、友達に思わずSNSで「けしからん(誉め言葉)」と叫んでいた、豊前江の衣装(笑)。いや、あの腹筋はけしからんでしょ(笑)。
それはともかく。
全体的にアップテンポでかっこよくて、でも爽やかでしたね…。
いや…まあ、幕末天狼傳とか東京心覚とかのショーが大人っぽい色気があるものだったので、…うん。
爽やかなこと良し(*‘ω‘ *)、ではりますけどね。いつもこってりでもね、とも思いますし。

https://www.instagram.com/p/CUjgJqwFevl/?utm_source=ig_web_copy_link

次回作も楽しみ

…とはいっても、まだ発表がないのですがね。
この静かの海のパライソと、全国ツアーしている「にっかり青江 単騎出陣」が動いていますが、来年以降の作成がどうなっているのか…。
コロナ禍で上演が色々制限されていたのもあるので、刀ミュだけでなく、色々な舞台が発表するタイミングがギリギリになっていたりするのですが…。
ただ、この作品のCD発売があり、封入特典にチケット優先抽選があるので、きっと何かあるのでは、とは思ってます。
毎年、年末から年始にかけて、全員集合的イベントがありましたし…。

今年新たに仲間になった刀剣男士たちもいますので、やってほしいです。久々に会いたい刀剣男士たちも…。
その発表を首を長くして待っています。