中央システム株式会社

ミュージカル刀剣乱舞~東京行覚

3か月連続の刀剣乱舞関連の舞台を観劇。
今回はミュージカルの最新作です。
5月まで全国で上演されるので、以下ネタバレ内容も含みますので、ご注意ください。

内容が難しい

今回の話はちょっと複雑で、あらすじが一筋縄ではいかないのですが…

4つの時代

今まで基本的に一つの時代で物語が進行していましたが、今回は4つの時代を行ったり来たりしています。
タイトルの通り、東京…江戸のターニングポイントとなる時代を舞台に、今までの作品でちらほらにおわせていたことについて描いている、という感じです。
水心子正秀が「なぜ時代を護るのか、その護った時代は本当にそれにふさわしいのか…」といった事を考えだし、自分とそれ以外の境界線や気持ちが曖昧になり…という展開なのです。
さて、その4つとは…。

平将門の時代

平安時代、貴族社会の中、朝廷を護るため、地方豪族が武装し、警護にあたるようになりました。いわゆる「武士」が現れました。この武士は、源氏と平氏が有名ですが、平安中期、関東近辺は平家が台頭してきました。源平から鎌倉時代だと、関東は源氏のイメージがありますが、平家はこの時代は関東で、その流れをくむ七氏が…は今は関係ないので、気になる方は調べてください(笑)。
閑話休題。
その平家の中で、平将門という人物が朝廷に反旗を翻し、関東からクーデターを起こします。いわゆる将門の乱というものです。
自ら「新皇」と名のり、反乱を起こしますが、結局は倒されます。
そして…ここからは都市伝説的な伝承ですが、この戦に敗れた将門の首は晒されるため、都に持っていかれますが、晒されたそれは、自分の体を求め、空を飛んだというのです、が、結局途中で力つき、おちたのが、現在新宿にある将門塚付近だったというものです。
この将門塚は、取り壊そうとすると災いが起きるので有名ですが、この時の恨みがこの地に災いを起こしている、という事から作られたその塚を壊そうとすれば…たたられるのは分かるような…。
作品では、その将門の怨霊がのちの世で色々キーになるような展開が発生し、水心子がなぜ反乱を起こしたのか、と尋ねるというクライマックス的な展開になっていきました。

太田道灌の時代

太田道灌といえば、戦国時代、関東管領に仕えた武将で、城づくりの達人として一部の歴史好きには有名です。その城の一つが江戸城です。物語でも、その江戸城を築城するシーンがあり、監視していた刀剣男士がなぜか築城を手伝っていたります。
太田道灌は、関東管領の疑念のため、暗殺されるという悲劇に見舞われるのですが、それを阻止するために時間遡行軍が現われ、道灌を助けてしまうのを阻止する事になります。。。豊前江が道灌を倒すそのシーンは、築城の時の話があるので…。

天海の時代

多分一番メインになる時代なのですが、家康が亡くなったあたりの時代です。
天海といえば家康のブレーンとなり、江戸の街づくりに貢献した僧侶です。そして、この人にも都市伝説があったりします。
この江戸の街づくりには、陰陽道的なものを取り入れているのです。寛永寺や増上寺、日吉神社の建立、そして家康の菩提を弔う久能山や日光の東照宮の位置は、江戸城から鬼門・裏鬼門…というやつです。
そして、もう一つが、将門の怨霊を利用し、その怨霊を北斗七星の形で封じて、江戸の守りに使った…と。
詳しい話は。。気になる方は調べてみてください(笑)。いや、物語の想像でなく、実際にそういう伝承があるのですよ…。
その天海はソハヤノツルキの霊力を使い、久能山に封じ込めたということで、今回ソハヤノツルキが出陣しています。曰く「くえないジジイ」のようで(笑)。
ただ…彼の最後のセリフは…刀ミュ全作品を見ていると、ウルっとすること間違いなし、です。

勝海舟の時代

ここは他の時代ほど詳細に描いていないのですが、やはり一つの時代の始まり、一つの時代の終わりというターニングポイントだったので、時間遡行軍に狙われます。そして、小さな江戸から大きな世界へ、という守るべき対象が広がりを見せている象徴にも見えました。

この4つの時代をらせんのように描いて、最後に水心子が結論を導き出す…話だったので、この四人の人物についてわからないと、ちょっと理解が難しい気がしました。
…て勝海舟はともかく、将門とか道灌とか、教科書でもあるかないかの瀬戸際のような人物。。。天海なんてよっぽどでないと知る人ぞ知るの人物がメインで出てくるとか、審神者がどこまで歴史マニアだと…。
なので、SNS上の感想も賛否両論のようですね、個人的には好みの話でしたが。

三日月宗近

今回出陣していない彼なのですが、以前から暗躍していた件について、今回は掘り下げられていました。本人いないから、水心子が迷惑をこうむったというか…

葵咲本紀でちらりと出てきた「三日月宗近」という機能…悲劇的な最期を遂げた人物に寄り添い、歴史を変えないように、かつ、救おうとするように働く事…というのか、言葉にするのは難しいのですが、その機能、役目を知ることが水心子がずっと悩んでいた事を解消する…はず。
はずなんですが…ううむ…。
まだその機能という話が正しいのか、観てみぬふりにされているのか…その全容は鶴丸や大典太は理解しているようだし、髭切もなんとなくわかっていそう…ですが、まだちょっと謎が残っている感じで。
壽で明石との手合わせがちょっと不穏でにおわせ的だったので…これから何かあるんでしょうかね。

現代へのメッセージ

水心子が不安になるのが「現在」の「東京」の姿を見て愕然とするところから始まるのですが…。プロジェクションマッピングで表示される今の東京が不安。
そして、最後に「なかなか会いづらくなるような時代」という、このコロナ禍をにおわせるような話…。
でも、きっと大丈夫。壽の時の加州が言っていたように、「これからはきっとよくなると知っているから」という話をしていましたが、それはミュージカル刀剣乱舞からファンへのメッセージのようでした。

ハイペースなショー

刀ミュの2部のショーは、とにかくリズムとパワーとノリのある、疾走感あるものでした。意外と大人な雰囲気だった前作の天狼もよかったのですが、こちらもよかった…。
コロナ禍なので、客席なしだし、声だしもなかったのですが、手拍子の強さがあって、楽しかったです…。
衣装もアイドル??みたいな感じで…五月雨江や村雲江のしっぽになりたい…(笑)。

TDC東京公演は無事に終わりましたが、次の宮城公演では地震による急な休演があったりして、波乱含みで心配ですが、東京凱旋まで無事に駆け抜けられるようにお祈りしています。

凱旋公演はライブビューイングの映画館、そして、DMMでも配信がありますので、気になった方はぜひご覧ください←どこの回し者??