中央システム株式会社

きのうの影踏み

基本的にホラー系はあまり読まないです。ミステリーは好きですが。
この本は、そのホラーと言っていいのかわかりませんが、ファンタジーともミステリーともちがうので、一応ホラーなのかなあと。
でも、やっぱり違うかもしれませんね。そんな「不思議」が詰まった短編集です。

短編集

短編というより、ショートショートくらいの短い話が集まった本です。
その中で印象的だったお話をいくつかご紹介します。

十円参り

筆者がとある人物から少し怖い話を聞くという物語。
その人の地元には小さなお社がある。そこには不思議な話があるというのだ。
そのお社のお賽銭箱に10日間、10円玉と一緒に「この世界から消えて欲しい人の名前」を書いて入れると、本当に消えてしまうというのだ。ただし、その間は書いた人間が誰かを知られてはいけないという。
そんな話を聞いた仲良し3人組の女の子が、やってみよう、という話になった。
実際は飽きたり怖くなったりして10日もやることはない。なので、本当にあったかどうかはだれにも分からない。
だが、その3人のうち、なっちゃんがいなくなってしまう。不安になった残った二人。
そして、もしかしたら…と、思い至り、お社でその真相を調べてみると…。
淡々と語られる中で、ラストの意外な展開とオチ?がぞっとする、そんなお話でした。

手紙の主

あるラジオ番組の収録中。休憩の合間にもらった手紙が話題になった。
それは、そこのいた人も同じような内容でもらっていた。
コピー用紙のような紙に、自分で線を引き、薄い色の文字で書かれたもの。
実際はその作家の本は読んでいないが、好きな歌手のラジオ番組を聞いているという。
ファンレターでもなく、そこに書いている歌手の名前や番組名は架空。そして、文字が段々乱れてきて、結局は最後まで読めない。
そんな奇妙な共通点を持つ手紙に興味を持ったので、他にそんな手紙がきている人がいないかと尋ねてみることにした。
だが、あまりないだろうと思ったその類似点のある手紙は、噂になるほど集まっていき…。
知らずしらずに段々と追いつめられていく感じが怖い、そんなお話です。

七つのカップ

主人公が小学生の時、通学路に立つおばさんがいた。
そのおばさんはなぜそこにたっているのか。そして声をかけたときの会話の奇妙なずれ…。
それについて考えていた時、そのおばさんが立つ横断歩道におかしな紙カップがおいてあるのに気が付いた。
その紙カップは1日ひとつずつ増えていくが、7日目になると倒れてしまい無くなっている、そしてまた1つ目からはじまるのだ。
一体どういうことなのか。不思議に思っていたころ、友達から横断歩道とおばんさんにまつわる話を聞く。
そして、それを知った時…。
不思議な話ですが、やさしくしんみりとしたお話となっています。

辻村深月さん

これで2冊目を読破した作家さんです。

こちらの本も、ちょっと不思議な要素の入ったお話です。
まあ、そういう系列の話が多い方ではあります。
怖い話…というと、ちょっとおどろおどろしい感じなのか?と思いがちですが、それほどでもなく…。
むしろ、さらっと読める文体の作家さんです。
いや、だからこそ、本当に怖い話をしれっとされるので、怖い…。
実は、まだ数冊辻村深月さんの本は積んでいる(…)ので、これから消化していきたいです。
あ、でも、多分不思議系…ではないです。多分。

本の装丁

本の紹介の時は大体アイキャッチに表紙の写真を入れてます。
今回も、読んだ本の装丁をぱしゃっとさせていただきました。
さて…見てわかるかもしれませんが、この表紙はカドカワです。
そう、カドカワさんは、「文豪ストレイドッグス」とのコラボ装丁の本を出版されています。

痴人の愛は、なぜか本を紛失しまして…と理由に購入。谷崎潤一郎は新潮文庫の装丁が綺麗で好きなんですが。
与謝野晶子と中原中也は、個人的に好きなんです、文ストのキャラとして。
いや、文豪としても尊敬していますよ。していなければ購入していません。両方とも詩人ですが。
本の装丁は、やっぱり、本の顔なので、色々きになるものです。
なので、すでに購入している本でも、お気に入りの装丁の本なら欲しいかなと…(笑)。
ということで、同じ本でも装丁がちがければ購入したり…。まあ、興味なければ無駄な…といわれそうですが…。